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なぜ寒くなると風邪ひきやすくなるの?(前編)

季節の変わり目には風邪をひきやすいと言われています。ただ、春から夏になって風邪をひく人はそこまで多くありません。夏から秋、秋から冬と、寒くなってくると風邪をひきやすくなります。これは一体なぜなのでしょうか。

寒くなると風邪をひくのは、主に二つの理由があると言われています。それは、寒さ乾燥です。

気温の変化により自律神経が乱れ体調が崩れる

夏に、外は30度を超える暑さ、でも室内はクーラーで20度近くと涼しく、そこを行き来していたら具合が悪くなってしまった。みなさんもそんな経験があるのではないでしょうか。
これは、自律神経の乱れが関係しています。
体内には、気温に合わせて体温を調整する機能が備わっており、それを働かせているのが自律神経です。体温が下がれば、体に震えを起こして体温をあげようとしたり、逆に上がってくると汗をかき熱を下げるように、体に指令を出しております。

ただ、あまり気温差が激しすぎると、この働きを頻繁に行わなければならないため、自律神経が乱れがちになります。すると体温調整がうまくいかずに、風邪をひきやすくなっていきます。

寒くなると風邪をひきやすいのも同じ原理であり、気温の急な変化に自律神経がついていけなくなります。すると、体内の免疫力も下がってしまいます。

免疫力が低下すると、外から入ってくるウイルスや細菌を撃退できず、風邪を引きやすくなる
のです。

寒い時期は乾燥するためウイルスが繁殖する

また、寒さによって活発になるのがウイルスです。実はウイルスはそこら中にただよっています。風邪とは、鼻や喉が微生物に感染することによって起きるのですが、原因微生物の80〜90%がウイルスなのです。ただ、ウイルスは熱に弱いため、普段はそこまで活動できません。体内にウイルスが入ったら、体に震えが起きるのは、体内の熱を上げてウイルスを死滅させようとするからです。

しかし、その量が増えてしまったら、体内の免疫機能では撃退できなくなってしまいます。

そして、ウイルスが最も活発的になるのが、乾燥の時期です。手が乾燥していたり、あるいは喉が乾燥していると、そこにはウイルスが付着しやすくなります。
そして、十分なうがいや手洗いをしていないと、ウイルスが体内に入ってしまい、風邪をひいてしまうのです。冬になると、湿度はどんどん下がっていきます。自身の体温が下がりやすいのと合わせて、乾燥によりウイルスが付着しやすいことで、風邪を引いてしまう人が増えます。更にインフルエンザもありますので、寒い季節は十分な対策をしなければなりません。

風邪予防にはどんな対策が?

では、風邪予防するためにはどんな対策があるのでしょうか。
ウイルスが口や鼻から体内に入ってしまうことで風邪をひいてしまいます。だから、外から帰ったらうがい手洗いをしっかりし、体に付着したウイルスを撃退しましょう。

そして、できれば外ではマスクをすることです。マスクには、口や鼻の中の乾燥を防ぐ保湿効果がありますそれでウイルスは付着しにくくなります。

また気温の変化による体調不良も防がなければなりません。できる限り温かい服装をし、体温を一定に保ちましょう。体の熱があれば、免疫力も高くなりますし、ウイルスも死滅しやすくなります。寒い季節には、外でも室内でも温かい服装をすることが大切です。

ちなみに余談ですが、南極では風邪をひかないと言われています。なぜなら、ウイルスが存在していても、人がほとんどいないので人を介して感染することがないからです。一部では、あまりの寒さでウイルスが死んでしまうという説がありましたが、それは間違いです。

つまり、人を介する場所に行ったら、常にウイルスに自分の体内に入る可能性があります。だから、外から帰ったらうがい・手洗いは大事なのです。

寒くなると風邪をひきやすくなるのは、
自律神経が乱れやすくなること、そして乾燥によりウイルスに感染しやすいことが理由
でした。
これからますます寒くなります。みなさんも風邪予防はしっかりと行いましょう。