頸椎椎間板ヘルニアという言葉を聞いたことがありますか。
腰のヘルニアなら中高年以上の方の腰痛の原因の一つとして広く周知されていますが、
実は首や肩の痛みも、頸部のヘルニアが原因である可能性があるのです。
頸椎椎間板ヘルニアとは
首の骨、つまり頸椎は7つの骨が積み重なって構成されています。
この骨の一つ一つを椎骨と言い、この椎骨と椎骨の間を埋めているのが椎間板です。
椎間板がクッションの役割を果たすことで頸部は柔軟に動くことができるのです。
しかしこの椎間板がなんらかの原因で飛び出し神経などを圧迫することがあります。
神経が圧迫されると、肩や首の痛みや、手足のしびれが出現します。
これが頸椎椎間板ヘルニアです。
20代30代の比較的若い年代の方に多く発症します。
事故で首などに衝撃を受けた結果発症することもありますし、
日々の習慣などが原因で少しずつ症状が出ることもあります。
はじめは「寝違えたかな」と思っていたら段々痛みが激しくなっていって病院に行ってみたら「ヘルニア」と診断を受ける、というパターンの方も多いようです。
腰部のヘルニアも大変苦しいですが、頸椎椎間板ヘルニアによる首の痛みも苦しいものです。
首を少し動かすだけで鋭い痛みが走り、
左右はもちろん上下にも首を動かすことができなくなりますこともあります。
私たちの頭部は人体でも5~10㎏と重たい部分であり、首と肩の骨と筋肉は、常にその頭部を支え続けているのです。
その首の部分が痛んでしまうと、頭部を支えるという役割を担うことができなくなります。
また入眠した後でも寝返りを打った瞬間に激痛で目がさめてしまうこともあり、常に痛みとしびれを感じ、寝不足と不安とストレスで余計に症状を強く感じることもあります。
これだけやっかいな病ですが、
発症してしまったらどのようにして治療していけばいいのでしょうか
治療法とは
ヘルニアは圧迫されている神経の場所やその度合いによって症状は変わります。
手足が動かなくなるほどの重度な症状が出ていた場合は、病院で手術をする必要があることもあります。
しかし、その他のしびれや痛みだけの感覚障害の場合、病院ではコルセットを装着して内服薬による治療を行います。
前述のとおり首はいつも頭部を支えています。
コルセットは装着することで、頭部を支える首の負担を軽減することができるのです。
軽度の頸椎椎間板ヘルニアの場合、コルセットを装着し安静にしておくことで、症状は緩和されていくこともあります。
安静の仕方にも注意すべき点があります。
・重いものを持ったり背負ったりせずに、首や肩などに負担がかからないように心がける
・もしコルセットがない場合は、段ボールを適度なサイズに切り取り、タオルを巻きつけて首に装着することも有効
・もみほぐしたり、伸ばしたりして刺激を与えるようなことは避ける
・痛みがひどい時は湿布などを使用して痛みを緩和させる
・夜に寝る際は枕の高さを一番楽なものにする
首は非常に大事な場所です
前述のように首は人体の中でも一番重たい頭部を常に支えています。
そのため首や肩の骨や筋肉には、常に負荷がかかっています。
また、脳から体へ指示を出すためにさまざま神経が体全体へ伸びていますが、
それらが集中しているのも頸部です。人体にとって一番重要な部位であるからこそ、頸椎椎間板ヘルニアのような頸部の疾患は安静にしながらじっくりと治していかなくてはなりません。
一度発症してしまうと、日常生活にかなりな支障をきたしてしまうことがあります。
他の人の手を借りないと生活していくことも難しくなる場合もあります。
首を回すことができなくなるので運転を控えなくてはなりませんし、肉体労働もかなりの負担がかかります。
不安に思わず、安静にしながら軽快を目指しましょう。