徐々に春が近づくにつれ、何となく気分が高まってくる人も多いでしょう。しかし、逆に気分が沈んでしまう人もいます。そう、春といえば花粉症の季節です。花粉症になってしまう人にとっては、非常につらい時期になります。
そんな花粉症ですが、実は体質ではなく、なってしまう原因があるといいます。その一つに、風邪をひいたことで花粉症になるというものです。これは一体どういうことなのでしょうか。
花粉症のメカニズム
花粉症になるのは、空気中に花粉が飛び、それが体内に入ることが原因です。症状は、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどが一般的であり、やはり花粉が多い場所、そして季節になりやすくなります。
しかし、日本人のうち、花粉症になると言われているのは約三割です。なぜ、同じ場所に住み、同じような生活をしているのに、なる人とならない人がいるのでしょうか。これは花粉症のメカニズムが関係しています。
花粉症は、アレルギー反応によって起こります。本来人間には、免疫機能が備わっており、外部から病原菌がきても、免疫によって退治してくれます。しかし、稀に免疫が自分自身を攻撃してしまうことがあります。それが花粉症の原因です。
花粉という異物が入ってくることで、「IgE抗体」という免疫グロブリンが作用して、体内にどんどんIgE抗体が蓄積されていきます。その結果、アレルギー症状を起こす化学物質が分泌されて、知覚神経や血管を刺激します。そして、くしゃみや鼻水などが頻発して起こるようになるのです。
花粉症になるのはアレルギー体質
花粉が飛散している場所に行っても、誰しもが花粉症になるわけではありません。人によって起こしやすい体質の人もいます。それがアレルギー体質です。IgE抗体がつくられやすい体質のことを言い、遺伝が主な要因と考えられております。
ただ、全て遺伝で決まるわけではありません。花粉症自体は、1960年代に見つかったのですが、それまではあまり注目されてきませんでした。それは日本人がアレルギーになりにくい環境にあったからです。しかし、徐々に食生活や生活スタイルが変わっていき、日本全体でアレルギー体質になりやすい人が増えていったのです。
そして、春に花粉症になりやすいのにも理由があります。正月には、暴飲暴食をしたり、普段と違う生活をすることで、胃腸が疲れてしまい免疫力が低下しがちです。その結果、正月明けに風邪をひくようになります。これは正月病とも呼ばれております。
そして体調が戻らないまま、免疫力が落ちた状態なの2月を迎えてしまうのです。花粉症は遺伝ではなく、こうした免疫力が低下した状態でなりやすいと言われております。だから、風邪から花粉症が起こるようになってしまうのです。
花粉症にならないための対策
花粉症は、体質だけでなるものではありません。普段から免疫力を維持しておくことや、花粉を体内に入れないように工夫することで予防することができます。睡眠不足や不規則な食事、さらに運動不足といった生活習慣は免疫力に直結します。1月から春にかけては、体調を崩しやすく、またインフルエンザも流行る時期なので、体調管理はしっかりとしましょう。
そして、花粉を体内から取りこまないように、マスクをしたり、帽子を被るといった対策も重要です。さらに、花粉が多い日は外出を控えたり、家や車の窓を開けないといったことも意識しましょう。
花粉症にならないためには、体内から健康状態を整えること、そして外部から飛んでくる花粉から身を守ること、この二つが大切になってくるのです。「体質だから」「そういう時期だから」と諦めず、できることはしっかりと行うようにしましょう。
正月明けの体調不良が長引き、風邪をひいてしまった人は、しっかりと休養をとり、早めに治すことが大切です。花粉症の季節に備えて万全の体調で臨めるようにしておきましょう。もちろん、飛散する花粉をできるだけ吸い込まないような工夫も必要ですよ(^^)/。