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熱中症と冷え、ちょっと意外な関係性とは?

毎日暑いですね(^-^;
今年も気を付けなければならない熱中症といえば、長時間気温が高かったり湿度が多かったりと、暑さを感じる環境で過ごしているときに起こる病気です。

その処置のためには上がった体温を下げることが重要になってきますから、体温がもともと低いことも熱中症対策に繋がるように思えますよね。ですが実は、もともと体温が低い人、夏でも手先が冷えているような冷え性の人ほど、熱中症になりやすい傾向があるのです。

そもそも、冷え性とはどういった症状なのか

冷え性というのは、簡単にいえば「体温調節が下手」という体の状態です。
人の体には体温調節機能というものがもともと備わっていて、外気温に合わせて体温が変わりすぎず一定の温度を保てるように自動で調節してくれています。

ところが、冷え性の人の手は外が暑くても寒くても冷たい温度を保っています。これはつまり、体温調節機能がうまく働いていないということ。実際に冷え性の人は暑いときに汗をかくのがとても下手で、熱が体内にこもりやすくなっているという実験結果も出ています。体温を下げるためには汗をかかなければいけないのに、その汗をちゃんとかけないのですから、体の熱を発散しきれないのも当然です。

そういった冷え性の症状は、熱中症の症状の一部とも似通っています。
熱中症は、まず暑さから汗をかきすぎて脱水症状を起こすところからはじまります。それでも水分や塩分を補給できずにいると、汗をかく余裕が体になくなり、体温調節機能がうまく働かなくなって、どんどん症状が重篤になっていくのです。
ですが、冷え性の人の場合は、体内の水分や塩分が少なくなる前から汗をかきにくい体となっているため、症状の進み方が普通の人よりも早いのです。汗をかいてちゃんと体を冷やすことができず、体温がどんどん上がってしまいます。体温の異常な上昇は熱中症の重い症状を引き起こす原因ですから、もともと冷え性の人は熱中症にかかりやすいというだけでなく、実際に熱中症になってしまった場合、その危険性はより高くなるケースもあるのです。

また、もともと冷え性ではなくても、普段から冷たい食べ物や飲み物ばかりを飲んでいたり、冷房が効いた室内でばかり過ごしていることによる「内外冷え」というものも慢性的な体調不良、ひいては熱中症になりやすい状態を引き起こします。
特に冷たいものばかり口にしていると、体は胃腸を中心とした内臓からどんどん冷えていきます。
体が冷えると血管は収縮して、血行が悪くなります。そうなると自律神経が乱れてうまく働かなくなり、体温調節機能にも問題が出てくるのです。
冷たいものばかり食べること、冷房が効いた室内でばかり過ごすことは、もともと夏バテの原因ともいわれていますよね。この夏バテの原因のひとつが「内外冷え」であり、熱中症になりやすい体質を作ってしまうことにもつながっているのです。

そんな体の「冷え」対策は?

gahag-0100757414-1そんな体の「冷え」対策には、食後にあたたかい飲み物を飲むこと、夜には必ずお風呂に入って体をあたためることなどがおすすめです。
まず、冷たい飲み物や食べ物で冷えてしまった内臓をあたためるためにも、意識してあたたかい飲み物を飲むようにしましょう。暑さがつらい時期ではありますが、特に胃腸が活発に働く朝やお昼、食後に一杯あたたかい飲み物を飲むだけで胃腸はずいぶんあたたまります。

さらに、暑いからといってお風呂をシャワーだけで済ませるのではなく、きちんと湯船につかるようにしましょう。少しぬるめの40度程度のお湯に10分ほどつかるだけで体はあたたまりますし、リラックスして疲れも取れやすくなります。

もちろん内側からだけではなく、外からもきちんと体が冷えすぎないよう対策するのも大切です。職場や学校が涼しすぎるときにはきちんと羽織ものを持って行ったり、おなかや腰などに貼れる温熱シートを持ち歩いたり……こういった些細なことが、深刻な熱中症にかかるのを防ぐことにも繋がります。
熱中症は、命にもかかわる大変な病気です。
きちんと対策して、暑い夏を無事に乗り切りましょう!