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「運動会」と「秋」

%e9%81%8b%e5%8b%95%e4%bc%9a01小学校の頃の運動会といえば、みなさんいつ頃行われておりましたでしょうか。ほとんどの方が秋に行っていたという記憶なのではないかと思います。最近は春に運動会を行う小学校もふえてきておりますが、かつては運動会と言えば秋が定番でした。

そもそもなぜ秋に行うのかご存じでしょうか。
これには、非常に理にかなった理由があったのです。

 

東洋医学的にも理にかなっている

「○○の秋」というフレーズをよく使いますが、
その中に運動の秋というのがあります。実は秋に運動をすることは、
東洋医学の上でも非常に理にかなっています。

秋というのは、冬に向けた季節となります。
冬は当然寒いです。その寒さを乗り切るためには
皮膚を鍛えておかなければなりません。

つまり、秋は、寒い冬を乗り切るために、皮膚を鍛える期間なのです。
春から夏にかけては、体の内側にたまっている熱を外に放出するために、
とにかく汗のかきやすい皮膚になります。
もしこの状態で秋から冬に入ってしまうと、
体の熱が外に逃げてしまい、風邪をひきやすくなります。

だから、秋に適度に運動を行い、汗をかくことで、皮膚を鍛える必要があるのです。
汗をかくことで皮膚が鍛えられるのは、汗をかいて毛穴が開き、秋の涼しさによって皮膚が閉じるというトレーニングが行われるからです。
これで冬には、しっかりと皮膚を閉じることができるようになり、体内の熱を外に放出しないようにできるのです。

運動の秋という言葉や、運動会が秋に行われるのは、
秋が涼しくて運動しやすいからというわけではありません。
冬を乗り切ることができる体を作るために、
秋に運動をしておく必要があるということなのです。
これが東洋医学的にも理にかなっていると言われている理由なのです。

他にも諸説ある

秋に運動会を行うのは、東洋医学の話だけではなく、他にも色々と諸説があります。

例えば、日本人の生活スタイルに合わせているという説もあります。
これは、かつて日本では多くの人が農業に従事しておりました。
春や夏というのは、田植えや収穫などがありとても忙しい時期です。
だから、家族の人が観に来られない可能性が高くなるのです。
収穫が終わりかけの秋に開催することで、多くの家族の人が観にこられるようになるのです。

また健康面にも配慮しているのではないか、という説もあります。
特に夏は熱中症になってしまったり、脱水症状を引き起こしやすくなります。
春は、初旬であればまだ肌寒く、肉離れや血行に悪いということもあるのです。
つまり、運動会が開催されるには秋が一番適した季節だから、という考え方もあります。
こうした、さまざまな説もあり、秋に運動会というのはもはや定番となっており、
その理由まであまり深く考えられることはありませんでした。

近年は秋から春へとスライド

%e9%81%8b%e5%8b%95%e4%bc%9a02しかし、近年は秋から春へ運動会をスライドする小学校が多くなってきました。
これは一体なぜなのでしょうか。理由はいくつかあります。

まずは先ほど述べたように、もともと秋に開催されていたのは、
日本人の生活スタイルが関係しておりました。
しかし今はほとんどの家庭がサラリーマン家庭であり、
農業に従事している人はそこまで多くありません。
ゆえに、秋だから余裕ができるというわけではないのです。

また、秋には他にも学芸会、文化祭、などさまざまなイベントが重なります。
だから運動会を春に行いイベントを分散する目的があるとも言われております。

そして近年は、温暖化の影響でだんだんと気温が上がってきております。
秋に運動会をするとなると、その練習をするのは夏です。
夏に外で練習し、熱中症になってしまうことを防ぐために、春にスライドしたという説もあります。

運動会は秋の風物詩ともなるぐらい、今までずっと定番のイベントとして行われてきました。
しかし近年は春に行う学校も増えてきており、もはや運動会=秋ではなくなってきています。

東洋医学的に見て運動会は秋に開催して欲しいものですね。